知彼知己、百戰不殆。
彼を知り己れを知れば百戦殆あやうからず。
彼を知らずして己れを知るは一勝一負す。
彼を知り己を知れば、百戦殆うからず中国古典 名言に学ぶ
菅澤 喜男
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インテリジェンス活動の必要性と目的
👉私がフランス国営インテリジェンス調査機関で得た経験です
・自らが置かれている内・外の環境を正確に知り、(戦略を実行する上で)避けられるリスクを最大限に軽減する
・コミュニティー(Intelligence Community)を構築する
・なんでも情報を集めれば何か分かる?
⇨何も分かりません
・分からないことに絞り込んでから情報(Key Intelligence Topics)を集める
⇨明確になります
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インテリジェンスの欠如がもたらした「情断」
アインシュタインと原爆開発
・ユダヤ系ドイツ人であった物理学者アルバート・アインシュタインは平和主義者として有名だったが、1939年にはアメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルトに宛てた、原子爆弾の開発を求める書簡に署名した。
・既にアメリカの亡命していたアインシュタインやその他の科学者たちは、ナチス・ドイツが核エネルギーを使って、国全体を破壊できる「新しいタイプの極めて強力な爆弾」を作ることを懸念していると述べた。
・この書簡が、広島、長崎に投下された原爆の開発「マンハッタン計画」へとつながった。
・後に、アインシュタインは、アメリカに技術開発を勧める以外に当時は選択肢がないと感じていたと語ったが、ドイツが原爆の開発間近だったことはないと知り、この書簡は「大きな誤り」だったと話した。
・第二次世界大戦が勃発する1カ月前の1939年8月2日、ユダヤ系ドイツ人の物理学者アルバート・アインシュタインはアメリカの大統領フランクリン・D・ルーズベルトに宛てた、2ページにわたる書簡に署名した。これがアメリカを核軍拡競争へと引き入れ、人類の歴史を変えることになった。当時の米英の諜報機関も未熟であったと思われる。
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AIの父と呼ばれる天才数学者アラン・チューリングの活躍
インテリジェンスの重要性と人間が持つアナログ情報が真実を突き止めるためには必要不可欠であるとの名言を残しています
“人の代わりに考える機械をつくることはできない”
・英国人アラン・チューリングは、エニグマの暗号解読機「bombe」の開発に成功し、これによってナチス・ドイツ軍のUボートの行動などは筒抜けになり、連合軍は極めて有利に戦争を進められこととなった。
・残念ながらチューリングその人は、同性愛者であること(当時の法律では禁止)が後に露見してしまい、無理矢理受けさせられた治療のせいで心と体を病み、若くして自殺してしまいます。
[出所:https://globis.jp/投稿日:2015.10.20、更新日:2021.11.10。エニグマ暗号解読の鍵は?~ドイツ・ナチス最強の暗号を破ったダイバーシティ~より抜粋加工]
・2009年8月、コンピュータ科学者のジョン・グラハムは、過去のアラン。チューリングを「同性愛」のために処罰した事実に対して、イギリス政府に謝罪を求める活動を開始した。
・2013年12月24日、エリザベス女王の名において「恩赦」が発効し、チューリングは晴れて「無罪」となった。
・さらに、2019年7月15日、イギリス銀行のマーク・カーニー総裁は、新ポンド紙幣にチューリングの肖像画用いられることを発表した。