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        日中関係を巡る今日の視点  2023年2月16日 BIS 井出亜夫

        (1)国際環境の変化等

        • 21世紀の世界の大きな変化は、20世紀の後半を律した米国一極集中体制から米中二極集中体制への移行が明確になりつつある事であろう。ここで認識しなければならないことは、米中双方に長所と短所が存在することである。すなわち、20世紀を律した市場経済システムが今日大きな問題を露呈しており、これはトマ・ピケティをはじめとする多くの論者が指摘するところである。この結果生まれたのは、貧富の格差拡大、地球環境問題の深刻化、実体経済に裏付けのない金融の肥大化等である。中国についても都市農村の格差、新疆ウィグル自治区を巡る民族問題(米国にも黒人差別問題があることにも留意しなければならない)、言論の自由を巡る問題等が存在する。
        • これらの問題は、近代社会の発展の中から生じた問題でもあり、これを如何克服するか、現代社会、現代に生きる人々の歴史的力量が問われている
        • 特に、アジアで最も早く近代化の途を選んだ日本の世界史における歴史的役割が問われている。自国の近代化を目指して多くの中国人等が日本に留学したが、日本の近代史は、彼らの期待に応えられなかった。孫文が1923年日本を去るとき「日本は欧米列強の走狗となるのかアジアの王道を開く先駆者と成るのか」と言って日本を去ったが、日本は、日韓へ併合、対華21箇条の要求、満州事変・日中戦争、第2次大戦へと進んだ戦前の歴史を深く銘記し、今日の世界の状況、米中二極体制に望まなければならない。(新しい資本主義を掲げた岸田総理が、価値観を共有する国との協調を唱えるのみで、「新しい資本主義の形成」について具合的提示・発信が出来ず、日本の国際的地位の低下が続いている。)
        • アジアの復活をもう一つ象徴するアセアン諸国は如何であろうか。アセアンは、1967年ヴェトナム戦争を遂行する米国による反共政治組織として誕生したが、今日周辺諸国に拡大され、アセアン経済共同体を形成しつつある。ここにも南シナ海を巡る対中問題は存在するが、米国一辺倒の日本とは異なった対応を示している。
        • 中国はかつて、清朝乾隆帝の時代に象徴されるように世界の最先進国でもあった。それが、一世紀後、アヘン戦争による帝国主義の侵略を契機に苦悩な近代史が続いた。この歴史を回顧すれば、「中華民族の復興」を目指す習近平の国民への問いかけは、説得力を有しよう。ただしそれは、共同富裕等彼の提唱が、実績を上げるか如何にかかっている。また、国際的にも「一対一路」、「人類共同体」の建設が、国際的評価を得るかによろう。

         

        (2)日中国交回復時の状況                   

        ①日本は、戦後、冷戦構造・米国追随政策の下、中国との国交回復のイニシャチブを取ることなく70年代を迎えた。その時突如、キッシンジャーの極秘訪中、ニクソン訪中が頭越しに行われた。

        ②これに対し田中内閣において、国交回復が成し遂げられた。われわれは、それ以前冷戦期に行われた石橋湛山、松村謙三、高碕達之助、岡崎嘉平太等国交回復の井戸を掘った先人の努力を再度回顧することが、今日の状況を改善するために不可欠である。

        岡崎は回顧録の中で、国禁を犯して仏典を天竺に求め十数年の歳月をかけた玄奘を偲び、国交回復は出来たが、日中の親善の継続は今後の人々の努力であることを述べている。国交回復以降、宝山製鉄建設に協力した新日鉄稲山社長、松下幸之助ほか多数の人々の努力により、日中の経済関係は既に米国を遥かに凌駕しており、グローバル経済進展の必然性を観ないバイデン政権のディカップリング政策は早晩行詰るであろう。

        ③私自身は、1974年初めての訪中に当り、中国の住宅事情の劣悪さを知り、日中住宅産業協力を関係者と遂行し、両国の友好に細やかながら尽力した。また、慶応大学・清華大学の共同事業、中国の発展と環境に関する国際委員会(CCICDE)に参加し、中国の中小企業政の策定、クリーナー・プロダクション実現に協力した。その際、先方カウンターパート銭易清華大学教授は「中国は発展途上にあり、古い課題が解決する前に新しい課題に挑戦しなければならない」と開発途上国の悩みを訴え、その実情を理解した。

        この間、中国は「ものまね大国から、急速に特許大国に転じている」実情も理解しなければならない。

        ④すでに、ドイツ首相はいち早く習近平と対話し、バイデン自身も対話の道を閉ざしていない。わが岸田総理の習近平との会談は漸く実現したが、対話と協調の途を更に切り開くのは日本役割である。

        (3)日中関係の長い歴史と将来展望

        ①遣隋使・遣唐使等以来の日中の交流、

        漢字、論語の伝達、仏教伝来、禅宗の普及、喫茶の普及等多くの文化の伝来に象徴されるように、2千年に及び日中の間では、政治、経済、文化的交流がなされてきた。

        ②松尾芭蕉は奥の細道の中で「松島は日本一の名所にして、遠く洞庭・西湖に恥じずと」書いているが、明治の歌は、「箱根の山は天下の倹 函谷関もものならず 蜀山道も数ならず」と詠っている。これは、明治の驕りの一例である。われわれは、日韓併合、満州事変、日中戦争、第2次大戦に至る日本近代史の誤りを深く反省、省察し第三の開国へと向かわなければならない。

        ③総じて、西欧思想は、キリスト教をベースとする絶対主義的傾向を帯びているのに対し、アジアの思想は相対主義的傾向を帯びている。これは、相互理解を深める上で極めて重要であり、また、自然との関係において、前者は自然を克服する考えであるのに対し、後者は自然との共存・調和的性格を帯びている。地球環境問題を考える上においても、この点は留意されるべきであろう。

         

        ④最後に、日中交流に係わる若干の書を      紹介し、論を閉じたい。(別紙参照)

        (善隣友好の書)中江兆民「民重きを為す」 孫文「大同」(小異をすて大同につく)

        (国交回復の井戸を掘った人たちの書)

         石橋湛山「和して同ぜず」 

        松村謙三「独出門前望野田 月明蕎麦花如雪:独り門前で田野を望めば 月の明かりでソバの花が雪のようだー白居易七言絶句の一部」

        高碕達之助「静観―物の本質を観る」

         岡崎嘉平太「先憂後楽」 北宋政治家 氾仲苑「岳陽楼記」から)

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