BIS論壇No.408『信達郎BIS学術顧問逝去を悼む』中川十郎
1993年以来、30年間にわたり、BIS学術顧問としてBISの諸活動に鋭意ご指導を頂いた
信 達郎 先生(国士舘大学名誉教授、日本貿易学会元会長、国際ビジネスコミュニケーション学会元会長)が1月27日逝去された旨、日本貿易学会関係者より連絡を受けた。急なごご逝去の報に接し、誠に残念でならない。
信先生は体調を崩され、入退院をくりかえしておられたようで、年末電話の際は体調が好転しつつあるとのことだったが本年に入り、体調が悪化、1月末ご逝去された由。BISを代表し、こころから哀悼の誠をささげる次第である。
信先生との出会いは30年前、1993年10月、日本貿易学会年次大会が北海道で開催された時にさかのぼる。当時、公募で商社から愛知学院大学商学部教授に転職。貿易英語や国際物的流通論、国際マーケテイング論などを担当していたので、先輩教授から同学会会員に推薦され、学会に参加した。
懇親会で信先生に面談。前歴はニチメン(現双日)という商社で長年海外駐在していたと自己紹介した。ニチメンならば、大学教員になる前に自分もオリックスに勤務。フィリッピン駐在中、オリックス大株主のニチメンのマニラ支店に大変お世話になったということで急に親しくなった。以後、日本貿易学会で何かと面倒を見ていただいた。
信先生は戦後、アリゾナ・フェニックスに創設されたサンダーバード大学の国際経営大学院に留学。その英語力は日本貿易学会でも類を見ないほど抜群で、英語関係著書も10冊以上執筆されている。筆者が海外での講演の際の英語の文章も度々添削いただいた。
BIS協会顧問の吉田 進氏(元日商岩井専務)の紹介で数年前、ウラジオストックの国際大学での講演にご一緒した際は、英語のみでなく、ロシア語、中国語も自在に操り、信先生の語学力に驚いた次第だ。
BIS研究会にご参加の際は閉会の挨拶をお願いしていたが、毎回素晴らしい締めの挨拶を頂いたことを感謝の念とともに、思い出す。
私事ながら、筆者は2021年11月、日本貿易学会創設60周年記念に、日本貿易学会功労賞を授与されたが、これも信先生の推薦があったのではないかと推察している。
人格者で、かつ勉強熱心な先生にはBISで問題発生の際は、なにかと相談。いつも温厚な解決策をご教示いただいた。ここに信先生の30年間のBISへのご指導に感謝するとともに、信先生へのこころからなる哀悼とお悔やみを申し上げる次第である。 合掌