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        2023年3月26日

        今週の所感

         村田光平(元駐スイス大使)

        3月21日

         

        林外務大臣宛メッセージを(こちら)お届けいたします。

         

        同メッセージで言及したフィジ—による緊急事態宣言につき

        在日フィジー大使館に照会していたところ20日、大使秘書より「現在太平洋諸島フォーラム(PIF)側、および日本側の専門家による分析などが行われており、まだ現段階では公式な宣言はしていないとのことでした。つきましては、進展があり次第、追ってご報告したく存じます」との回答に接しました。

         

        市民社会は原発は所在国に向けられた核ミサイルとなりうることがウクライナ危機により示された状況下でのこのたびの原発回帰の

        動きを深刻に憂慮しておりま す。特に原子力規制員会については原発の安全については責任を負わないと前委員長が公言しているままになっていること、経産省からの独立性を疑わせる人事 の事例が後を絶たないことなど看過できない重大問題が浮上しております。

         

        このように難問山積の状況下での放射性汚染水の海洋投棄問題への適切な対応の必要性が益々痛感されます。早晩放射性汚染水の海洋投棄が海洋法条約違反にな るか否かについての日本政府としての公式見解が問われることになることが予見される旨林外務大臣に指摘させて頂きました。

        林 芳正外務大臣殿

        令和5年3月20日

          村田光平

        (元駐スイス大使)

        拝啓

        中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は14日の定例記者会見で、福島第一原子力発電所の放射能汚染水海洋放出問題について、次のように述べております。

        <日本政府は福島原発事故の痛ましい教訓をくみ取らず、放射能汚染水の海洋放出計画を独断専行で進め、放射能汚染のリスクを全人類に押しつけようとしている。これは責任ある国家の行為では決してなく、日本が果たすべき国際義務にも反している。>

         

        日本政府の放射能汚染水の海洋放出計画対する内外からの批判は

        強まる一方で「国際社会における名誉ある地位」は深刻に脅かされるに至っております。

        こうした危機感から14日、東電の小早川智明社長に対して放射性汚染水の海洋投棄の国連海洋法条約違反の可能性に言及した別添の2月21日付岸田総理宛メッセージ(略)を秘書を通じて送付いたしました。

        国連海洋法条約85条は排他的経済水域における他国の権利行使を妨げないよう適切に配慮することを求めております。先週英連邦に属するフィジ—が緊急事態 宣言を発出したことが報じられました(未確認)。フィジーをはじめパプアニューギニア、ソロモン諸島等の14か国の太平洋島諸国もこの動きに影響を受ける ことが予見されます。

        放射性汚染水の海洋投棄が強行される場合にはこれに強硬に反対する国々が日本の国連海洋法条約違反を糾弾する挙にでる可能性は排除されません。 東電の小早川社長がこうした深刻な可能性を示唆する上記岸田総理宛メッセージを踏まえていかなる判断をされるかが注目されます。

        早晩放射性汚染水の海洋投棄が海洋法条約違反になるか否かについての日本政府としての公式見解が問われることになることが予見されます。

        貴大臣の御理解と御指導をお願い申し上げます。

                                       敬具 

        制作協力企業

        • ACデザイン
        • 日本クラシックソムリエ協会
        • 草隆社
        •                 AOILO株式会社

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