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        ┏◆◇━2023年3月━◇◆

        ◆┛

        ┃    経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第84号◇

        ◆┓

        ┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛

         

        会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?

        その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、

        承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?

        そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。

        このミニ情報をご覧いただき、

        円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を実現していきましょう。

         

        ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

         

                事業承継における「ロカベン」の活用

         

        ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

         事業承継においては、引き継ぐべき自社の強みや資産は何か、あるいは

        引き継ぐうえでの課題は何かを把握することが重要です。

         今回は、自社の状況や課題の把握に活用できる「ローカルベンチマーク」を

        ご紹介します。

         

         ローカルベンチマーク(通称「ロカベン」)とは、経済産業省が作成し、ホーム

        ページで公開している経営分析のツールで、誰でも利用が可能です。

         

         ロカベンは、

        「6つの指標」(財務面)、「商流・業務フロー」、「4つの視点」(非財務面)

        3つのエクセルシートで構成されています。3つのシートに自社の情報を記入していくことで、自社の状況や課題をより明確に把握することができます。

         

         各シートの概要は以下のとおりです。

         

        (1)「6つの指標」シート

         このシートには、自社の財務情報から以下の指標を記入します。

         ①売上高増加率、②営業利益率、③労働生産性、④EBITDA有利子負債倍率、

         ⑤営業運転資本回転期間、⑥自己資本比率

         これらの指標を過去3期分記入することで、財務指標がA〜Dのランクで

        総合評価されるとともに、レーダーチャートで財務分析結果の推移が可視化されます。

         各指標が良化(あるいは悪化)した要因を、下記(2)(3)の非財務面のシートを

        活用しながら確認することで、経営状況や課題の把握に繋がります。

         

        (2)「商流・業務フロー」シート

         このシートでは、自社の業務の流れを整理しながら、

         「差別化ポイント(自社のこだわりや工夫)」を発見することが主な目的となります。

         

         「業務フロー」分析では、業務の流れ(ビジネスの仕組み)を整理するために、

         自社の製品・商品・サービスがお客様に提供されるまでの過程・プロセスを

        5つの段階に分けます。分け方は業種・業態によって異なりますが、例えば製造業では以下のように分解することが考えられます。

        例)

         業務① 提案・受注、業務② 試作、業務③ 仕入、業務④ 製造、業務⑤ 検品・納品

        次に、各業務における自社のこだわりや工夫などを記入していきます。

        例)

        「通常●●の素材を使うところを、〇〇を使い、加工を行っている」

        これにより、自社の強みを発見し、魅力を発掘することに繋がります。

         

        また、「商流」分析では、仕入先や協力先に関する情報を記入し、「自社はなぜ

        その仕入先や協力先を選んでいるのか」を把握します。同様に、主要な得意先や

         エンドユーザーに関する情報を記入し、「自社はなぜ得意先やエンドユーザーから 選ばれているのか」を把握します。その際に、業務フローの差別化ポイントに仕入先・協力先がどのように貢献しているか、あるいは差別化ポイントが

        得意先・消費者に伝わっているのかを明らかにすることで、自社の強みや課題を把握することに繋がります。

        (3)「4つの視点」シート

        このシートでは、以下の4つの視点から、自社の状況を整理します。

        • 経営者、②事業、③企業を取り巻く環境・関係者、④内部管理体制

        例えば「①経営者」では、経営理念やビジョンに加えて、後継者の有無や

        事業承継のタイミングなどについて記入します。また「④内部管理体制」では、現状の組織体制に加えて、人材育成の取り組み状況などについて記入します。

         

        最後に、(1)〜(3)のシートの内容を総括し、自社の「現状認識」と「将来目標」を明らかにしたうえで、そのギャップを埋めるにあたっての「課題」と、課題を解消するための「対応策」を 「4つの視点」シートの一番下に記入します。

         

        以上がロカベンの概要となります。経済産業省のホームページでは、ロカベンの取り組み方について、経営者が一人で取り組むだけではなく、専門家などの社外のメンバーを交えて取り組むことで、より客観的な視点から自社の現状を把握することができるとしています。

         

        詳しくは、弊社担当までご連絡ください。

                                   (担当:野崎 史明)

         

        参考:経済産業省「ローカルベンチマーク」

         

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