2023年4月2日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
3月26日
皆様
樋口元裁判官との意見交換をお届けいたします。
原発の安全には責任を追わないと公言する原子力規制員会に
再稼働を認める権限を付与するのは本来許されない筈です。
市民社会はそのような規制員会が原発の運転期間を40年から
60年に延長することを認めること、さらには運転停止期間の追加を認めるれることなど到底納得できません。
そもそもウクライナ危機が原発が所在国に向けられた核ミサイルであることが立証された状況下での原発回帰は嘲笑の対象になりうる愚策と言えます。専門家ならずとも日本の最大の安全保障問題は54基の原発の存在であることは明白な筈です!
本意見交換でも言及した哲学の三原則が日本の現状を放置する筈が無いと愚考いたします。
皆様の御理解と御指導をお願い申し上げます。
村田光平
樋口英明先生
久し振りのお便りを頂き喜んでおります。
先生の単純明快な原発反対のお立場に魅せられております。
<地震学者にもできないことを住民側に押しつけた点では地裁の決定と同様です>とのご指摘から原発については市民の直観の方が専門家の知見よりも信頼できることを改めて想起しております。
日本社会の質的劣化の原因は「感性不足」に集約されると思われます。
世界の危機を生んだ倫理不足に通ずるものです。力の父性文明から和の母性文明への転換を求めている所以です。
人間不信から哲学に逃避して「哲学の教えの三原則」
(天地の摂理・歴史の法則・老子の天網)を掲げるに至っております。
この立場から期待している日本一新、世界一新により良識が復活することを切望しております。
先生の一層の御活躍と御健康をお祈りいたします。
村田光平
村田先生
ご無沙汰致しておりますがお変わりございませんでしょうか。
先生のご活動にいつも励まされております。
一昨日広島高裁で残念な決定が出ました。
四国電力はマグニチュード9の南海トラフ地震(2月のトルコの地震の64倍の規模)が 伊方原発を直撃しても181ガル(震度5弱相当で,希に窓ガラスが割れる程度)の揺れしか伊方原発の敷地には来ないとの地震動想定をしました。
住民側はその地震動想定が地震観測記録に照らして不合理であると主張したのですが、
裁判所は住民側が伊方原発の地域特性,地盤特性を分析して何ガルの地震が来るかを立証しない限り不合理とは言えないとしました。
地震学者にもできないことを住民側に押しつけた点では地裁の決定と同様です。
住民側が裁判所に提出した最終準備書面を添付致します(この裁判の内容が凝縮されています)
お目を通して頂けますと幸甚です。
樋口英明