2023年5月14日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
5月12日・原発回帰の世界を待つもの(重大な警告)
福島原発事故の教訓は本来人類と共有すべきものですが東京五輪などを利用して忘却に追いやられてしまいました。
11日報じられたフランスなどの原発増設の動きはその証左です。
日本における連日の地震の発生は生命に至上の価値を置く立場からすれば深刻な警告と受け止められる筈です。
現在世界が最も恐れるのは再処理工場の事故です。
一日の放射能排出量は原発一年分です。
下北半島にある再処理工場に最悪の事故が発生すればその影響は全世界に及びます。最近NHKは南海トラフ大地震の特集番組を
放映しましたが、誰もが不審に思ったことは同地震が原発に与える影響については一切触れなかったことです。
再処理工場が同地震により壊滅的影響を受けた場合の結果は想像し難いことがその理由であることは明白です。
ケルンの原子炉安全研究所によれば六ヶ所村の再処理工場が事故を起こせば広島原発1000基分、一万キロ四方の住民は急性ヒバクで死亡、4000万人の被害者が出るとのことです。
理性を持って判断するならば人類は再処理工場の存在を許してはならない筈です。
問題はなぜ六ヶ所村の再処理工場の閉鎖が進まないのかということです。
その背景として同再処理工場が核保有に不可欠なプルトニウムを
生産することから日本の核武装問題との関連がある旨報道関係者により指摘されております。
福島原発事故の教訓を忘れ、原発回帰を許しつつある世界に対して再処理工場の存在 は重大な警告を発しております。
皆様の御理解と御支援をお願い申し上げます。