今週のお薦め作品 6月2日公開「ウーマン・トーキング」
原作は2005年~2009年にかけてボリビアの宗教コミュニティで起きた実際の事件を基にしたカナダの作家ミリアム・トウズの小説で、ニューヨークタイムズ紙「ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー」を受賞作品。この映画化権を3度のアカデミー賞受賞女優のフランシス・マクドーマンドが獲得し、ブラッド・ピットの制作会社PLANBに持ち込んだ。これだけでも興味が持たれると思うが、監督・脚本が女優として数々の賞を獲得し、監督・脚本としてもデビュー作でアカデミー賞にノミネート、2012年の「物語る私たち」では全米脚本家組合賞を受賞したサラ・ポーリー。本作では見事にアカデミー賞脚本賞を獲得した。それだけに構成がしっかりした作品で見ごたえのある映画となっている。物語は2010年にキリスト教信者の村で起きた連続レイプ事件。この事件が村の男達の仕業と分かった時、女たちは男性たちがいない2日間で、赦すか、闘うか、それとも去るかの選択をするために話し合いを求めてことになる。男尊女卑の村で尊厳を奪われた女性たちは未来を見据えて話し合いをする。全編のほとんどが納屋の中で、モノトーンの画面だが、脚本と実力者の演技が感動のドラマを作りあげている。出演はルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ベン・ウィショーといったそうそうたるメンバーと今回は脇にまわったプロデューサー兼務のフランシス・マクドーマンドも出番は少ないがいい演技を見せている。☆5つの推奨作。