┌┬───────────────────────────2023年6月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第138号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 教育資金口座を使いきれなかった場合、思いがけぬ課税に注意を! ■□
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祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税制度について、
令和5年度税制改正で、適用期限が令和8年3月31日まで延長されましたが、さらに要件が厳しくなりましたのでご紹介します。
【1.令和5年度税制改正の概要】
(1) 受贈者が30歳に達した場合に、教育資金口座の残額に贈与税(暦年課税)が
課されるときは、特例税率でなく一般税率を適用する。
(2) 契約期間中に贈与者(祖父母等)が死亡した際、贈与者の相続税の課税価格の
合計が5億円を超える場合には、受贈者(孫等)の年齢や在学中等の有無に
かかわらず、教育資金口座の残額を相続財産に加算する。
【2.贈与者(祖父母等)が死亡した場合の注意点】
この制度が導入された当初は、贈与者の死亡時までに、教育資金口座を使い
きれていなくても、相続税の課税対象とはなりませんでしたが、その後何度か
改正があったため、教育資金口座への拠出時期により、相続税の取扱いは複雑に
なっています。
《贈与者死亡時の口座残額に対する相続税課税》
◆拠出時期:平成31年3月31日以前
相続税課税なし / 相続税額の2割加算適用なし
◆拠出時期:平成31年4月1日〜令和3年3月31日
相続税課税なし※1 / 相続税額の2割加算適用なし
◆拠出時期:令和3年4月1日〜令和5年3月31日
相続税課税あり※2 / 相続税額の2割加算適用あり
◆拠出時期:令和5年4月1日以後
相続税課税あり※3 / 相続税額の2割加算適用あり
※1) 23歳未満である場合等を除き死亡前3年以内の非課税拠出分に限り課税あり
※2) 23歳未満である場合等を除く
※3) 23歳未満である場合等で、かつ、贈与者に係る相続税の課税価格の合計額が5億円以下の場合を除く
(注)23歳未満である場合等とは、次のいずれかに該当する場合をいいます。
・23歳未満である場合
・学校等に在学している場合
・教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合
相続税課税ありの場合、教育資金贈与を受けた受贈者(孫等)が相続税申告を
することになりますが、教育資金口座の残額以外で相続または遺贈による財産の取得がなければ、相続開始前3年間(改正後は7年間)の生前贈与加算の適用は
ありません。
例えば、教育資金の一括贈与だけでなく、祖父母から孫へ毎年現金贈与を
行っていた場合でも、その現金贈与は相続税申告に考慮する必要はありません
のでご安心ください。
【3.教育資金口座の活用】
孫の教育資金口座を開設したはいいけれど、領収書の提出等、手続きが煩雑で、口座から払い出しをせず、結局使いきれずに残ってしまったというケースもあるようです。
原則30歳までに使いきれなかった場合は贈与税がかかったり、上記【2】のように相続税が課税される場合もありますので、教育資金口座を開設した場合は早めに活用していただきたいと思います。
教育資金の一括贈与は度々改正されているため、課税の判断が分かりづらく
すでに利用されている方もこれから検討される方も迷うことが多いかと思います。
その際は、ぜひ、辻・本郷税理士法人へご相談ください。
(税理士 浅野 恵理)
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