2023年6月25日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
明治神宮外苑の再開発計画に対しては市民社会は強く反対しております。
環境アセスの国際学会は工事停止勧告を関係方面に発出したことが報じられるに至りました。
明治神宮外苑の森林は、都民および訪ねてくる国内外の人々の憩いの場として現在および次世代の人々のために末永く残すことが市民社会の願いです。
日本イコモス委員会が提案する「神宮外苑の名商への指定」が実現すれば渋沢栄一がこの緑地を明治神宮に献上した際文書で求めた「美観を永久に保全すること」及び「地権者であれど自由に開発していいというものではない」の2条件は満たされることになります。これを無視することは不道徳であり天地の摂理は許さないという哲学の教えが想起されます。
皆様の御理解と御支援をお願い申し上げます。
2023年6月21日
都倉俊一文化庁長官殿
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
失礼の段お許し願います。
元駐スイス大使、現在日本ナショナルトラスト顧問の村田です。
脱原発の同志、故坂本龍一氏が晩年神宮外苑の樹木保護のため小池百合子都知事に対して善処を求める書簡を発出されていることもあり、その意を汲んでこの度別添の永岡桂子文部科学大臣宛のメッセージをお送りした次第です。
明治神宮の森は、都民および訪ねてくる国内外の人々の憩いの場として現在および次世代の人々のために永久に残すことが望まれる名勝であることは明白です。このたび環境アセスの国際学会が発出した工事停止の勧告を無視すれば日本はSDGsを無視する先進国との烙印を押されかねません。このような事態は是非とも回避しなければなりません。
同封させて頂いた最近の私と坂本龍一氏との関係に関する新聞記事、そして今なお継続されている反対運動は世論の関心は高まる一方であることを示しております。
日本イコモス委員会の提案した「神宮外苑の名勝への指定」について貴大臣の御理解と御支援をお願い申し上げます。
敬具
2023年6月20日
永岡桂子文部科学大臣殿
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
貴大臣におかれてはますますご健勝のことと拝察いたします。
明治神宮の森林保護に関する貴大臣宛陳情書でご支援をお願い申し上げた日本イコモス委員会の提案した「神宮外苑の名勝への指定」について、改めてご理解と御支援をお願い申し上げます。
このたび、環境アセスの国際学会は工事停止勧告を関係方面に発出したことが報じられております。他方、日本イコモス委員会はパリの本部に対し、世界遺産級の文化財が破壊されそうな際に発出される「ヘリテージ・アラート」を要請する手続きを進めているとのことです。
国連関係者の間では都が日本イコモス委員会からの問題提起を無視して再開発計画に踏み切るならば、日本はSDGsを無視する先進国との烙印を押されるという不名誉が待ち受けていると取りざたされております。先般のG7環境大臣会議で発覚した共同声明日本語訳改竄の失態に続いてのこのような事態の現出は、日本として是非とも回避しなければなりません。
明治神宮の森は、都民および訪ねてくる国内外の人々の憩いの場として現在および次世代の人々のために永久に残すことが望まれます。
1945年4月に爆撃された際、火災で住み家を失った近隣住民の避難所として国民を守る場所でもあったことも忘れられません。
坂本龍一様は御生前重病にもかかわらず神宮外苑の樹木保護のため、小池百合子都知事に対して善処を求める熱意溢れる書簡を発出されていることもあり、世論の関心は高まる一方であることが、今なお継続されている署名運動により示されております。
貴大臣の御理解と御支援をお願い申し上げます。 敬具