┏━2023年5月━━
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┃■■ 国際資産税ニュース 第19号 ■■
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┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 辻・本郷 税理士法人
相続財産が海外にある場合どうすれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか?
相続人が非居住者だったら? 被相続人が外国籍だったら?
・・・そんな、海外資産を保有されている皆様の“疑問の解決”に
役立つ情報を提供していきます。
このメルマガをご覧いただき、安心でスムーズな相続を
実現していきましょう。
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遺言等で外国籍の方の遺産を受け取った場合
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国際化の進む現代、婚姻等によって日本国外にご親族がいらっしゃる方も年々増加の傾向で、珍しくなくなってきました。
いった外国籍や外国在住のご親族にご相続が発生し、遺言等で予告なく遺産を
受け取ることになってしまった場合、どのような手続きや注意点があるのでしょうか?
事例もまじえご紹介します。
さまざまなご関係・設定は想定されますが、今回はアメリカ在住の祖父が亡くなり、日本在住の孫が遺言で遺産を受け取ることになった、という設定で日本の相続税についてご説明します。
アメリカ在住の祖父に相続が発生し、現地の弁護士等から「遺言が遺されていて、あなたは遺産をもらう権利がある。」といった旨の連絡が日本在住の孫にあり、国際郵便で書類が送られてきます。署名と必要書類を提出し、後日指定した金融機関口座に国際送金で振り込みを受けた場合について考えてみます。
外国の相続または遺贈によって、日本の居住者が財産を取得しているので、日本の相続税の対象とはなりそうです。
では、こういったケースの相続税の対象となる財産や総額、いわゆる「課税価格」をどのように算定するのか、という点について検討してみると、現実的にさまざまな壁にぶつかってきます。
この場合、財産を取得した孫は日本在住なので、取得した国内外の全ての財産が
日本の相続税の課税対象となります。事例の場合は外国で発生した遺産整理等で受け取った財産なので、受け取った財産が全て「課税価格」に算入されます。
国内外の全ての財産が相続税課税価格の計算対象となることは分かったものの、
亡くなったアメリカ在住の祖父に日本国内にも財産があったか否かなど、その財産や相続内容の全体を把握することは、現実問題として非常に困難な場合があります。
日本の相続税申告の場合、亡くなられた方の全ての相続財産を把握することから申告準備が始まりますが、今回のような国際相続の場合難しいということです。
その理由として、現地で遺産整理などを担当した弁護士等から、遺産の全容や他に遺産を受け取った個人や団体等を問い合わせても時間がかかったり、回答を得られなかったりすることが想定されます。また、関係資料の郵送を依頼すると高額な報酬を請求されるなど、日本国内の相続と異なり円滑には進まないことがあります。
今回取り上げたような遺言等で外国籍の方の遺産を受け取った場合は、早めに
国際相続に精通した、海外にもネットワークがある税理士・弁護士事務所等への
相談をおすすめします。
上記のような手続や問い合わせをご自分だけで行うには限界もありますし、
国際相続は個別性も高くなります。早めに専門家に関与してもらい、適切な手続や税務申告が行える状況にしていきましょう。
ご相談などがありましたら、辻・本郷 税理士法人までお問い合わせください。
弊社の海外拠点事務所とも連携して、ご対応いたします。
参考文献:「調査の現場から見た国際資産課税の実務」安永淳晴 著
税務経理協会
(担当:新田 敏彦)
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