┏◆◇━2023年6月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第87号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、
円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を実現していきましょう。
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国税庁より令和5年分の類似業種比準データが公表されました
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非上場株式の税務上の評価方法の一つである「類似業種比準方式」を
計算する際に用いる令和5年分のデータが、国税庁より令和5年6月9日に
公表されました。
この「類似業種比準方式」は、上場している同業他社の平均株価を元に、
その上場会社と評価会社の一株当たりの「配当金額」、「利益金額」、
「簿価(帳簿上の)純資産価額」の3要素を比準して計算する方法です。
一般的に、同業の上場会社の株価が高ければ高いほど、また、評価会社の
利益が大きければ大きいほど、「類似業種比準方式」により計算した株価は
高くなるといわれています。
ただし、“同業の上場会社”の具体的なサンプルは、毎年入れ替えが
行われているため、同じ業種であっても、その傾向の正確な予測は難しいと
言われています。
ここでは、主な業種目ごとに、昨年(令和4年)と今年(令和5年)の評価で
使用する「平均株価」の動きを見てみましょう。あくまでも目安として
ご覧ください。
■主な業種目 ■平均株価の前年対比
建設業 100.33%
製造業 95.51%
情報通信業 82.75%
運輸業 99.74%
卸売業 106.21%
小売業 86.29%
不動産業 85.65%
医療・福祉 82.52%
専門・技術サービス業 80.53%
宿泊・飲食サービス業 87.98%
その他の産業 90.60%
[注1] 各年度における「前年平均株価」をもとに計算しています。
実際の計算上は、贈与等があった月の平均株価など、これ以外にも
いくつかの平均株価の中で最も低いものを使用します。
[注2] 実際の計算上における業種目は更に細分化されており、上記とは
異なる場合があります。
[注3] 類似業種比準方式の計算は、これら平均株価を元に、配当金額、
利益金額、簿価純資産価額の3要素を比準して計算するため、
上記平均株価の上昇、下落とは逆の動きになる可能性もあります。
昨年に行った同様の比較では、令和4年は、上記の主な業種目の平均株価は、
令和3年と比べてすべての業種目で上昇傾向となっておりました。ところが、
令和5年は、一部の業種目を除き令和4年と比較して下落傾向となっております。
実際には、[注1]から[注3]の事項、今後の上場株価の変動など、不透明な要素も大きいですが、皆様の会社の株価についても、これを機会にぜひ試算して、
今後の株式承継等の計画に活用して頂ければと思います。
この記事を執筆している6月19日現在、「日経平均は10週連続の上昇、
33年ぶりの高値更新」と報道されております。
既に株式承継の準備を進められていて、承継時期を悩まれているという方々におかれましては、平均株価の上昇が(報道より)予想される来年(令和5年平均株価等を使用)よりも、平均株価の下落した今年(令和4年平均株価等を使用)の方が、承継する株式の株価を安く抑えられる可能性があると思われます。
承継時期につきましては、様々な要素を含めて準備検討されているかと
思いますが、判断材料の一つとしていただければ幸いです。
詳しくは、弊社担当者にご相談ください。
(担当:園 和弥)
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