2023年9月17日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
古代ギリシャの哲学者プラトンの警句「すべての国王が哲学者にならない限り人類の不幸は無くならない」が改めて想起されます。
他方、世界が直面する深刻な危機の真因は倫理の欠如であることを思い知らされている状況下で市民社会は未来への希望を抱き続けることを可能にする哲学の教えの三原則に救いを求めております。
即ち悠久の歴史を通じて人類と地球を守り続けいてきた天地の摂理、そこから生まれる「不道徳の永続を許さない」という歴史の法則、さらには全ての悪事は発覚して罰せられることを伝える中国の老子の天網(「天網恢恢嘘異にして漏らさず」)の三原則です。
事前の関係方面の同意取り付けの文書による約束を全く無視した放射性フクシマ汚染水の海洋放出は不道徳・無責任であり、天地の摂理はこれを許す筈はなく、その頓挫は今から予見されます。
原発を原子力の平和利用の名のもとに推進するIAEAはかねてから改革の必要性が指摘されておりました。
原子力の平和利用と軍事利用は区別不可能であるとの見解が確立するに至っているからです。
「原子力」イコール「核兵器」なのです。この期に及んでIAEAの立場表明を金科玉条の如く援用するとはあまりにも情けないことです。
原子力村の罪深さが改めて認識されるに至りました。
「原子力ムラ」の影響のもとに全世界の反対を押し切り放射性汚染水の海洋放出に踏み切られてしまった状況下でご報告した国際裁判を求める声は高まるものと思われます。
(公式サイト8月1日付BCC発信)
倫理の欠如がもたらした危機が天地の摂理により解消に向い出すと思われる事例がいくつも視野に入り出しました。重要な進展です。
マスコミが一切報じない国家の統治形態に関わる危機は関係者の証人喚問の可能性が想定内に入り出したとyoutube が報じております。
ユネスコの諮問機関である国際イコモスが、神宮外苑の再開発に対しヘリテージアラートを出し、東京都や事業者に見直しを求めています。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/jingu-gaien-heritage-alert_jp_64f90b95e4b0a7f6f1b34c28
さらにコロナ禍の状況下で「コロナの世直し」として市民社会が反対する「リニア中央新幹線」及びIRによるカジノ開設の頓挫の可能性が指摘されたことが想起されます。
いささかなりともご参考になれば幸甚に存じます。