今週のお薦め作品 10月20日公開「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
巨匠マーティン・スコセッシ監督が自らの集大成の映画として描いたのは、今まで伝えられなかった歴史の暗部―先住民オセージ族の悲劇―を正確に伝える事だった。主人公アーネストは第1次世界大戦の帰還兵で叔父ウィリアム・ヘルを訪ねてオクラホマを訪ねる。アーネストはオセージ族の女性モーリーと愛し合い結婚するが、地元の有力者の叔父の企みに加担する事になる。1920年代に起きた連続殺人事件は石油利権、人種差別が複雑にからみあっている。妻を愛しながらも叔父の言うがままになるアーネスト役はレオナルド・ディカプリオのキャリア最高の演技と評価が高い。叔父役の名優ロバート・デ・ニーロとの競演は必見の価値がある。レジェンド監督と2大スターの顔合わせで描く現代西部劇の名作の誕生であり、早くもアカデミー賞候補作品の傑作なので、ぜひ映画館で見て欲しい作品である。