2023年11月5日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
2023年10月30日・経済至上主義から生命至上主義への転換
古代ギリシャの哲学者プラトンの警句「すべての国王が哲学者にならない限り人類の不幸は無くならない」が想起されます。
無辜の市民が連日1000人規模の多数が犠牲になる生き地獄の現出を前にして、破局を招く「力と支配の父性文明」から「和と連帯の母性文明」への転換の必要性が改めて痛感されます。
現在世界が必要としているのはウクライナ、ガザなどにおける
休戦の実現であり、これを求める国際社会のたゆむことのない連呼です。国連にも一層の奮起を求める次第です。
市民社会の立場からの発信を続けておりますが、去る10月14日、上智大学で行った講演のレジュメを別添いたします
(10月22日掲載)
ウクライナがロシア管理下のザボリージャ原発をドローンで攻撃した旨報じられておりますが、原発の危険性は最早自明であり、
脱原発を核廃絶の前提条件とするべき事には反論の余地がありません。 日本における脱原発政策に向けての始動が待たれます。
人力では如何ともしがたい状況下で、市民社会が未来への希望を抱き続けるよすがとなりうるのは、かねてより提示させて頂いている哲学の教えの三原則(天地の摂理・歴史の法則・老子の天網)だと信じます。特に不道徳の永続を歴史の法則は許ないことが改めて想起されます。
天罰の存在が市民社会にとっての救いとして実感されます。