BIS論壇N0.423『東日本大震災から12年』中川十郎
9月14日の第6回国際伝統新興医療融合協会国際大会(第2衆議院議員会館)にBIS理事・森岡浩美氏(日中協力中心専務理事、元キャノン)の紹介で、不動産業に関与しておられるという山口小夜子さんが参加された。
懇親会の席で、娘さんの星野真弓さんが有名な刺繍家で東日本震災後、鎮魂の刺繍画を石巻市に寄贈。市民のこころの癒しとなっている。さらに仮設住宅などで刺繍教室を通じて、家族を亡くされた方方への心のケア―をされているとの話を伺い、感銘を受けた。
数日して山口さんからご丁寧なお手紙が届き、関東大震災から100年・東日本大震災から12年『あの日・あの時・今』~それぞれのレジリエンス物語~を星野真弓さんが中心となり、11月2日、日本橋三越本店・三越劇場で開催されるとのことでお招きをいただいた。
1:00pmより4:30pmまで木村悠方子さんの詩の朗読、金 亜軍氏の素晴らしい揚琴演奏、和太鼓、石巻市長の挨拶、『巨大地震から命と安心を守る』など関係者の特別対談、ダカ―ボのミニコンサートなど充実した催しであった。
主催者の星野真弓さんほか関係者のボランテイア―精神に強い感銘を受けた。
東日本大地震から12年を経て、最近は大震災の惨禍は忘れ去られつつある。しかし活火山国の日本にはいつ何時、地震や津波が再発するとも限らない。「災害は忘れたころにやってくる」。将来、南海大地震の発生も予想されている。地震大国の日本は備えをゆめゆめ怠るべきではない。
この催しの後援団体に復興庁、東京都中央区、宮城県石巻市の名前が挙がっており、中央区、石巻市よりはそれぞれ代表者の挨拶があった。だが、復興庁の代表の挨拶はなかった。
かかる民間の催しをまず復興庁が率先して支援すべきではないか。最近の日本は政界、
官界、財界、教育界など劣化が進み、90年代1~2位を誇ったGDPもIMF予測によると今年はドイツに抜かれ、4位に脱落。2~3年後にはインドにも抜かれ、5位になるという。
米国にはFEMA(緊急事態管理庁)があり、災害時に省庁横断的な効果的対応を行っている。それに引き換え、わが日本に於いては、東日本大震災から12年たってもいまだに全国的、かつ総合的な対策機関がないことは問題である。福島第一原発のデブリ取り出しも12年たってもいまだ実現していない。自民党政権、東京電力の対応にはまったく納得できないものを感ずる次第だ。早急なるデブリ取り出しをまず実行に移してもらいたい。 以上