今週のお薦め作品 12/15日公開「ティル」
エメット・ティル殺害事件の映画化。本作は現在まで多くの映画祭で21部門受賞86部門ノミネートの快挙を得ている。特に息子を失った悲しみと勇気の行動を起こす母親役を演じたダニエル・デッドワイラーの演技は高い評価を得ている。68年前のこの事件は私自身も知らなかったが、改めて人種差別問題の現状を知ることになった。人権を求めて世界を変えた勇気ある女性の実話、この感動を多くの人と共有したい。必見の作品である。(本年の4本目の☆☆☆☆☆作品)
あらすじを紹介します。1955年父が戦死した14歳の少年エメットは母と二人、シカゴで平穏に暮らしていた。その年の夏休みにエメットは生まれ故郷のミシシッピ州マネーの親戚を訪ねる。母メイミーからはマネーでの白人との関わりを注意されていたが、白人女性に口笛を吹いたという理由で、拉致されリンチを受け殺されてしまう。メイミーは黒人の生活を脅かすアメリカ社会に対して勇気を持って行動していく。この行動はキング牧師の公民権運動を加速させ、2022年3月のエメット・ティル反リンチ法の成立に結び追いていく。