今週のお薦め作品 1月26日公開「哀れなるものたち」
第80回ヴェネチア国際映画祭近似色賞受賞作、本年アカデミー賞11部門ノミネートの最高傑作。「女王陛下のお気に入り」の名匠ヨルゴス・ランティモス監督が再びエマ・ストーンとタッグを組んで描いたのは、ファンタジーな冒険物語で社会風刺も織り交ぜた作品。物語は、自殺したベラを天才外科医ゴッドが生き返させる。
ベラは成長するにつれて「世界を自分の目で見たい」と放蕩ものの弁護士ダンカンと出奔する。リスボン、アレキサンドリア、パリで人間として、女として成長していく。ベラ役のエマ・ストーンが「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞を獲得したが、本作でも2度目の受賞を得られると確信する演技である。生き返った当初の赤ん坊的な人間がだんだんと大人になっていく成長過程の演技や貧民のためにお金を全部寄付して無一文になり、お金を稼ぐためにパリの娼館で働くことになったベラの濃厚なSEXシーン等、エマ熱演ぶりはすごい。ゴッド役ウィレム・デフォー、ダンカン役マーク・ラファロのアカデミー賞ノミネート常連の芸達者が共演し、彼らの好演もエマの演技を支えている。まだ1月で気が早いが本年ベスト1候補作品。少しでも興味が持てたら、絶体映画館に足を運んでください。期待に反しないはずです。