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        2024年2月25日 

        話のタネ

        お酒、追記

         

                元国連事務次長・赤坂清隆

         

        本年1月20日付けの「話のタネ」(後記)で、お酒をテーマに能天気な話をいたしました。その後、2月19日に、厚生労働省が健康に配慮した飲酒に関する初のガイドラインを公表しました。このガイドラインを見ると、「酒は百薬の長」などという悠長なことは言っておられません。「健康でいたいなら、ほとんど酒を飲むな!」というに等しい、酒飲みにはおそろしく厳しい内容です。「ああ、わたしは長生きをしすぎた、こんなガイドラインを見るくらいなら、何も知らずに早死にしたほうがどれほど幸せだったろうか!」と思う人も多いでしょう。

         

        ガイドラインは、お酒を何杯飲んだかではなく、次のように、摂取した純アルコール量で、脳卒中などの症病の発症リスクを示しています。これ以上の飲酒をすると発症等のリスクが考えられるということです。

        お酒に含まれる純アルコール量の算出方法は、摂取量(ml)xアルコール濃度(度数/100)x0.8(アルコールの比重)です。これをアルコール度5%の500mlのロングの缶ビールにあてはめると、純アルコール量は20gです(通常サイズの缶ビールは350mlですから、14g)。すなわち、純アルコール量20グラムというのは、 ロングの缶ビール(5%)1本、ワイン(12%)だとグラス2杯弱、日本酒(15%)では1合、ウイスキーだとダブル1杯です。このうちどれか一つということです。全部足して20グラムということではありません!

         

         

        毎夜晩酌にビールと焼酎とか、ビールに続いてウイスキーなどを飲んでいる男性諸兄が多いと思いますが、この基準の一日20グラムをゆうゆう超えてしまいますから、脳卒中、大腸がん、前立腺がんなどのリスクが高いということになりますね。「ええー!?これまで聞いていたことと違うじゃないか!」と憤慨する人が多いと思います。小生もその一人です。これまでの理解では、晩酌にビール、日本酒2合ぐらいは健康に問題はない。ワインも2,3杯は大丈夫」というものでした(昔わたしのスイスの心臓医から聞いた話では、ワインのボトル半分ぐらいは飲んでも大丈夫で、赤ワインは心臓にむしろ良い効果があると言っていました)。

         

        もちろん、飲酒による影響には個人差があり、ガイドラインも、例えば年齢、性別、体質などの違いによって受ける影響が異なると断っています。高齢者は、体内の水分量の減少などで酔いやすくなり、飲酒量が一定量を超えると認知症発祥の可能性が高まると警告しています。女性は、男性よりも体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も少ないことから、アルコールによる影響を受けやすいようです。

         

        上記は、日本人を対象にしたガイドラインですが、外国の場合はどうでしょうか? 韓国は日本の倍近いですが、そのほかは、日本よりも少しだけ基準値が高いと見られますね。

         

         

        厚生労働省のガイドラインは、上記のようなリスクを理解したうえで、健康に配慮した飲酒を心がけるよう忠告しています。すなわち、(1)あらかじめ量を決めて飲酒する、(2)飲酒前または飲酒中に食事をとる、(3)飲酒の合間に水または炭酸水を飲む、(4)一週間のうち、飲酒をしない日を設けること、などを推奨しています。

         

        よく調べてみますと、すでに2018年9月1日付けの東洋経済オンライン記事に、「『お酒は少量なら健康に良い』はウソだった?」というのが出ていますね。2018年8月に医学雑誌「ランセット」に、たとえ少量でもアルコールは健康に悪いという新しい報告が出て、世界に衝撃を与えたという記事です。いやー、困りましたね。酒飲みを攻撃する包囲網が、だんだんと狭まっている感じがします。

         

        このような情報を前に、さて、どうするか?

        一つは、まったく無視してかかることです。以前から、やれ砂糖、塩、コーヒーなどは、体に良い、いや悪いなどと様々な議論がありました。このような議論を鼻から無視してかかるのも一案です。

        二つ目は、これを鵜吞みに信じて、ガイドラインをしっかり守ることです。固い決意が必要ですが、それが健康に良いと信じられるなら、毎日基準値を測っての飲酒が可能でしょう。

        三つ目、これはわたしがとる策ですが、「人生の楽しみと生きがい」を大事にして、友人なんかと飲んで楽しむときは大いに飲む、それ以外は節酒する(断酒ではありません)というものです。時と場合により、お酒を楽しむというのが健康にも良いと思われるのですが、なかなかブレーキをかけるのが難しいところが玉にキズではあります。

         

        お酒にまつわる追加情報、かえってご迷惑になったかもしれません。話のタネになれば幸いです(了)。

         

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