今週のお薦め作品 2月16日公開「コヴェナント」
先週のお薦めの文章に一部欠落がありました。1985年スティーブン・スピルバーク(中略)名作の再映画化。
「再映画化」が抜けていたためお薦め作品がスピルバーク作品のように冒頭の言葉が取れてしまいました。
さて、今週のお薦め作品ですが、本作は、「シャーロック・ホームズ」シリーズ等のアクションエンターテインメントのガイ・リッチー監督が今までの作風とは変わった戦争映画にチャレンジしました。主人公のジョン・キンリー曹長は部隊を率いて爆破物製造工場破壊に向かうが、タリバンの罠にはまり、仲間は殺されてしまう。瀕死の重傷を負ったキンリーを抱えて通訳のアーメッドが命がけで米軍基地まで連れて行く。7週間後キンリーは米国の妻子の下に戻ったが、アーメッドがタリバンのお尋ね者として命を狙われていることを知り、アーメッドを救うため単身アフガニスタンに戻る決意をする。本作は実話にインスパイアされたフィクションだが、実話通り、キンリーとアーメッドの信頼関係、暗黙の約束を実行する固い絆を描きながら上質な社会派サスペンスに仕上げている。主人公たちを演じたジェイク・ギレンホールとダール・サリムの好演も見逃せない。この出来事から数か月後米軍はアフガンから撤退し、タリバン政権が出来る。残されたアフガン通訳とその家族3000人が裏切り者とされ、処刑された事実が悲劇として生まれている。映画同様とは言わないが、何故米軍撤退時にこの協力者たちを救えなかったのだろうか、残念な結果である。今、世界平和の不安はロシアの暴走、中国共産党の動きが注目されているが、タリバン政権の恐怖も考えるべきである。本作を鑑賞して少しでも知って欲しい事実がここにあります。