Vol.370 2024/04/05
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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ASEAN諸国ではアメリカより中国を信頼する意見が圧倒的
ぶっちゃけ、台湾を襲ったマグニチュード7.2の大地震による被害の拡大が懸念されますが、ASAEN諸国のオピニオンリーダーを対象に実施されてきた世論調査の最新結果も大きな衝撃をもたらしています。
この調査はシンガポールのシンクタンク「ASEAN研究センター」が2020年から毎年行っているものです。
調査の対象はASEAN各国の学者、経済人、政府関係者、民間団体、メディアで活動する2000人前後のいわゆる「オピニオンリーダー」ばかり。
今年は1月頭から2月末の期間で実施されたとのこと。
最も意外だったのは「もし、同盟関係を結ぶとすれば、中国か
アメリカか、どちらを選ぶべきですか」という質問への回答でした。
これまではアメリカを選択する回答者が多く、昨年も61%を超えていました。
ところが、今年は「アメリカを選択する」と答えたのは49%で、過半数を割ったのです。
この調査開始以来、初めて「中国を選ぶ」との回答が「アメリカを選ぶ」を上回ったため、ASEAN諸国のみならずアメリカでも衝撃が走りました。
要は、ASEANの今後にとって、「アメリカより中国の方が頼りになる」との受け止め方が急増しているわけです。
もちろん、中国との間で経済的な摩擦や海洋での軍事的衝突の危険に直面しているフィリピンやベトナムでは「中国を危険視」する回答が過半数を占めていました。
しかし、ASEAN諸国の大半は「万が一、中国との対立が激化し、軍事的な衝突になった場合に、アメリカが介入してくれるのかは疑問だ」と受け止めているようです。
そうであるならば、ASEANとしての選択肢は、「アメリカとも中国とも良好な関係を維持する」バランス外交にならざるを得ないというわけでしょう。
そうした判断の結果、これまでのアメリカ重視から中国重視へと舵を切ったものと分析されています。
実は、中国政府はASEAN諸国のみならず南太平洋の島嶼国に対しても援助外交を積極的に進めており、外交関係も台湾から中国へと切り替える流れも出ているのです。
現在も、中国の王毅外務大臣の招きで、ラオス、ベトナム、
ティモールの外相が北京を訪問しています。
そんな中、バイデン大統領と習近平国家主席は2時間近くの電話会談を行いました。
来週からはイエレン財務長官やブリンケン国務長官も相次いで
北京詣でを行うとのこと。
ぶっちゃけ、こうした中国主導外交を目の当たりにすれば、
ASEAN諸国がアメリカ寄りから中国寄りへ舵を切るのも無理がないと思われます。
不思議なことに、日本では報道されていませんが、この調査で「最も信頼できる国」として断トツの支持を得ているのは日本なのです。
日本はこうしたASEANの期待にもっと積極的に応じる必要があるでしょう。
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