4月20日(土)に、BIS主催でマンフレッド・クラメス博士による講演会が行われた。
テーマは「自分の本質、自己実現と健康の関係とは?」である。
クラメス博士はドイツ人の心理カウンセラーであるが、日本で禅や中国伝統医学、スリランカでアーユルヴェーダを学んできた。そうした東洋思想をベースにしたホリスティックな見地からのクリニックを開設して診療やカウンセリングを行うだけでなく、ヨーロッパのみならずアジア各地や北米でも精力的に講演活動や執筆活動を続けている。
BISでも過去の国際伝統・新興医療融合協会国際大会だけでなく今年2月の第185回情報研究会でもスピーチを行っている。
会場は代官山のサロン・ドゥ・コロナ、30人ほどの聴衆が参加。会はクラメス博士の聴衆への問いかけから始まり、なごやかな雰囲気で終始進められた。
クラメス博士は、病気の第一の原因は人が本来の生き方から乖離してしまっていることにあるという。
特に日本人は、戦後、生活面食事面仕事面で西洋化が進み、その結果、それまでにはなかった心身の病気が増えているということを指摘し、その原因は本来日本人が持っていたDNAにそぐわない生き方をしていることにあると警鐘を鳴らす。
この問題を解決するためには、本来のあり方を取り戻すこと、それは左脳よりも右脳を使う生き方に変換することが大切で、日本古来の精神性や生活方式を取り戻すことをすすめる。
後半は一転してベートーヴェンの話。べートーヴェンは幼い頃から父親のDVにあい、また結婚を切望していた彼女とは身分不相応ということで引き離され、深い絶望感に襲われていたものの、ある時から一転して名作を次々と作曲するようになった。クラメス博士は、この転機にべートーヴェンは神との合一のような体験があったのではないかと推測する。そしてその頂点が絶作となった「歓喜」であるという。そしてこの歓喜の歌詞には絶対的存在と出会い、大いなる愛を体験する道が記されている。
こうしてベートーヴェンは、過去の悲劇を乗り越えて自分の本質に出会ったということである。
クラメス博士は日本人以上に日本人のことを考えており、その想いから心身の病で苦しんでいる日本人を少しでも手助けしたいという気持ちに溢れていることが感じられた。
東洋思想や東洋の伝統医学に精通しているドイツ人の心理療法家の言葉ゆえ、大いに耳を傾けて今の生き方を見直す機会にしたいものである。
そうすると体内では「ヴァータ」と呼ばれる「風」のエネルギーが増加し、健康上の問題、中でも精神的な問題を引き起こす。この「ヴァータ」はアーユルヴェーダに由来するもので「体内の運搬と反応」を表す。
この「風」を抑えるためには、本来のあり方を取り戻すこと、それは左脳よりも右脳を使う生き方に変換することが大切で、日本古来の精神性や生活方式を取り戻すことをすすめる。
それは本来の自分を発見することであり、彼はいくつかの神社の御神体となっている鏡を見ることやギリシャのデルフィのアポロン神殿の入り口に記されている「己を知れ」という言葉に注目する。
そうした生き方の転換と共に、彼は特定の宗教を信奉することではないが、神的なものへの祈りを重要だとみなす。その神は宇宙の叡智、宇宙の愛、守護天使、観音様などに言い換えることも可能。
・日本人的であることを絶対的なものとしてとらえすぎているように思われ る。西洋化と日本人ということをゼロイチで二元的にとらえるものではなく、日本人が本来保有していたよい精神を取り戻すということではないか。
西洋から来たものにもよいものはあるので、
おそらく日本人というベースに、西洋的ないいものを取り込んで、進化していくという方向性があると思う。
・個人的な意見ですが、精神的に弱った時に訪れる憑依霊とは、すべて霊ということではなく、死にたいということを含めた人々のネガティブ想念もあるのではないか。人々の心に想うことは発信され、あらゆるところを飛び回っているという見方を支持します。バグワンシュリラジネーシはじめ何人かの人たちの考えでもある。
・欧米での、伝統的な東洋思想にしたがった本来の日本に対するイメージ、情報と共に、欧米の医者などの伝統的な東洋思想に基づいた治療法に対する評価も日本人に対して知らされた方がいいのではないか。
そのような欧米の情報が日本にはあまりにも少なく、また、日本人にいまだに残る欧米重視の見方に沿うものかもしれない。とにかく日本人は外圧に弱い。
・直感を重視した生き方に戻るべき、ということに対して、直感、ということが心底からの識別心であれば受け入れられるものである。本来の純粋な直感というものは、そうしたものであると考えられるが、どのように評価するか難しいところである。
”私が「神」という言葉を使う
ときは宗教以外の意味ですので、宇宙の叡智、宇宙の愛、守護天使、観音様など、好
きな言葉に置き換えてください。”