BIS論壇No444『日本経済の衰退続く』中川十郎 2453
去る1月逝去されたBIS名誉顧問・谷口 誠 元国連大使がアジア初の事務次長として活躍されたOECD(経済協力開発機構-本部パリ)は5月2日、世界経済見通しを発表した。
それによると24年の世界経済成長は3.1%で、米国中心に底堅い成長が継続するとやや楽観的な予測だ。世界経済全体は24年 3.1%、25年3.2%の成長を見込む。24年は中国 4.9%、25年4.5%の成長。米国 、それぞれ、2.6%、 1.8%。ユーロ圏、0.7%、1.5%。それに比し日本は主要国で最低の0.5%、 1.1%の低成長だ。
90年来、世界最低の長年の日本経済の低迷に関し、日本は官民ともに危機感がなく、日銀を始め、有効な対策も打てず、日本経済は長期低迷を脱していない。主権在民の選挙においても、国民の意識は薄く、投票率が世界最低の50%を切っても政府も官も、民も学も
民主主義への危機意識なく、まるで他人事で馬耳東風の感じで日本は三流国への道をまっしぐらだ。
いつから日本は三流国への道にはまり込んだのか。それは安倍政権が10年近く君臨したころからのようである。日銀の低金利政策、株高騰、円安、物価高騰、消費税増税、大企業減税、経団連の30年にわたる低賃金策。結果、貧富の差の拡大。これらに対する政府の無為無策。上記を無視した岸田政権の米国迎合による軍備費倍増、国会を無視した重要案件の閣議決定。それに対し、国民もマスメデイアも何ら異議を唱えない異常さ。
東海の小島で自己満足に陥ちいっているこの国はやがて世界の趨勢から外れ、三流国へ落ち込むのではないかと危惧する。
安倍政権下の不祥事続発、菅政権下の日本学術会議会員の不承認、岸田政権下の米国追随による防衛費倍増、武器輸出の閣議決定。ここで憂国の士が立ちあがらねば日本の未来はないのではないか。日本国民よ目覚めよと声を大にしたい。
外遊のたびに外国になけなしの国費をばらまく岸田首相は今回のOECD訪問でもOECDと連携しASEAN支援枠組みに今後3年間で14億円の資金拠出をすると発言。OECD閣僚理事会開会式で基調演説を行った。
低迷を続ける日本の首相ながら日本は新しい資本主義を提唱し、コストカット型から成長型経済への移行を目指すと官僚作成の原稿をもとに熱弁をふるった。そもそも「新しい資本主義」とは何なのか。日本国民も理解できていないのではないか、。さらに安全保障についても経済的威圧への対応にサプライチェーンの強化、重要技術保護など明らかに中国を意識した発言がなされたが、まず日本の衰退に歯止めをかけることが先決ではないか。