BIS論壇 No.457『ニューオリンズジャズ』中川十郎
2024年8月31日
さる8月29日、浅草公会堂で本場米国ニューオリンズ・ジャズフェステイバルが開催され、BIS文化部会関係者10数名が参加。
BIS創設以来、32年間の長きにわたり名誉顧問としてご指導を頂いているドクター中松もご多忙にもかかわらずご参加いただいた。東大のダンス部を創設されたと伝えられており、その関係もあり、Jazzにもご興味がおありなのだろうと推察される。
筆者とジャズの関係は1980年代に6年間、商社のニューヨーク駐在員として、日本からのお客さんをマンハッタンのホテルのジャズ演奏にご案内したり、ニューヨーク南端のソーホーの有名なジャズ店に案内したことからご縁ができた。
大学に転身し、東京経済大学のゼミ生をニューヨーク、ワシントンに引率。たまたまブラジル・リオでご縁のできた小野田寛郎元陸軍情報将校ご夫妻がブラジルの出張帰国途次、ニュ―ヨークに立ち寄られた。小野田寛郎氏は若いときに商社の田島洋行に就職。中国漢口支店で漆の輸入を担当。同じビルにニチメン(現双日)もあり、ニチメンの若手とよくダンスホールに行き、ジャズダンスも楽しんでおられたとのこと。早速小野田ご夫妻をゼミ学生とニュヨークの有名なジャズバー“バーズネスト”にご案内した。
日本でも有名な 秋吉敏子さんと夫のタバキン氏が演奏されていた。秋吉さんは小野田少尉がフィリッピンのジャングルで30年間孤軍奮闘されたことに感激し、名曲「将軍」を作曲されており、小野田少尉との面会を非常に喜ばれた。
その後、秋吉敏子さんご夫妻が青山の有名な「ブルーノート」でジャズを演奏されるというので、小野田ご夫妻を筆者夫妻で招待した。秋吉敏子さんとタバキンご夫妻は特別に「将軍」を演奏され、小野田少尉がことのほか喜ばれた。楽屋で長時間懇談された。
90年代初め、米国競争情報専門家協会国際会議がニューオリンズで開催された。筆者は『日本総合商社の情報収集と国際ビジネスへの活用法』について講演を依頼された。講演後、参加者一同がミシシッピ川の遊覧船に招待された。その船上で有名なジャズ演奏があり、その後、さらにフレンチコーターやバーボンストリートのジャズ店をはしごして本場のジャズを夜遅くまで堪能した。
そのニューオリンズの有名ジャズ楽団、トーマスフィッシャー&ジャズオールスターズを浅草おかみさん会が30年近くも毎年浅草に招聘。本場のジャズを日本人に紹介しているご尽力には頭が下がる次第だ。浅草とニューオリンズのさらなる文化交流を期待したい。