┏━2024年9月━━
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┃■■ 国際資産税ニュース 第34号 ■■
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個人のグローバル・ミニマム課税?!
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皆さんは、個人のグローバル・ミニマム課税という話題をご存じですか?
法人については、グローバル・ミニマム課税(巨大国際企業グループに最低税率
15%の法人税課税を確保する仕組み)の導入が長く議論され、日本でも令和6年4月1日に「各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税」が導入されました。
その目的は、法人税引下げ競争による各国の法人税収基盤の弱体化と、税制面での企業間の公平な競争条件の阻害への対応策と位置付けられています。
このグローバル・ミニマム課税、、、いま、国際会議の場で「個人」にも導入しようという声があります。
それは、フランスのガブリエル・ズックマンという経済学者が提唱する、超富裕層の個人に対する国際課税方式で「10億ドルを超える資産を保有する個人に保有資産の2%相当額を毎年課税する」という新しいアイデアです。
(以下、この租税を「国際最低資産税」と称します。)
ズックマン教授は2024年6月25日に“「超富裕層に対する協調した効果的な最低課税基準」のためのブループリント(青写真)”を発表し、1カ月後のリオデジャネイロG20の首脳陣に向けて問題提起しました。
青写真では、国際最低資産税が富の分布の最上位における現代税制の逆進性に効果的に対処すると主張し、国際最低資産税の導入で世界の3,000人の個人納税者から世界で1年あたり2000億から2500億ドルの税収増を見込み、保有資産基準を1億ドル程度まで下げる(課税対象者の範囲を広げる)と、世界税収入をさらに1年あたり1000億から1400億ドルを上乗せできると試算しています。
【出典】Gabriel Zucman | EU Tax Observatory
“A blueprint for a coordinated minimum effective taxation standard for
ultra-high-net-worth individuals”
G20の会議ではこの青写真に賛否両論があり、発表された共同声明では、
メンバー国が引き続き協力して対話を促進し、このブループリントに「留意する」と述べるにとどまりました。
国際最低資産税が具体化するか不透明ですが、議論の行方が注目されます。
(担当:平尾 嘉三)
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