┏◆◇━2024年10月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第103号◇
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会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、
円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を実現していきましょう。
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2025年分の所得からミニマムタックス制度が導入されます
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2023年度の税制改正により、2025年分以降の個人所得税に対して「ミニマム
タックス」という制度の適用が始まります。
ミニマムタックスとは、年間所得が非常に大きい超富裕層に対する実質の
追加課税制度です。
具体的には、年間の所得から3.3億円の特別控除額を差し引いた金額に
22.5%の税率を乗じた金額が通常の所得税額を超えた場合、その超過額が追加
として課税されるというものです。
【1】制度導入の経緯
所得税の税率は、最高45%の累進課税方式を採用しているものの、上場株式の
配当や株式譲渡益等の金融所得については分離課税が適用され、15.315%(国税のみ。
住民税は別途5%)の税率でしか課税されません。
そのため、所得に占める金融所得等の割合が高ければ高いほど、実質的な
税負担率が下がることになります。申告納税者の所得税負担率は、合計所得金額が1億円までは上昇しますが、1億円を超えると下がり始める傾向にあります。
こうした富裕層の税負担の適正化を図るために導入された制度です。
【2】事業承継での注意点
ミニマムタックスの対象になるのは、およそ年間所得が30億円を超える納税者とされていますが、これはあくまで目安であり、実際に対象となるか否かは所得構成によって異なります。
総合所得のみで収入を得ている場合には、超富裕層であっても適用がありませんが、例えば、所得がすべて金融所得だったと仮定した場合、10億円であってもミニマムタックスが適用されて、追加課税が生じます。
事業承継を考えた場合、普段は発生しない高額な株式の譲渡所得が発生する場合があります。
2025年以降は、これまで想定していたよりも所得税の納税額が上がる可能性が
ありますので、年内に実施しておいた方が良いケースも考えられます。事業承継のタイミング、納税額の確保について、早めのご検討をお勧めいたします。
(担当:長井 宙子)
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