┌┬───────────────────────────2024年10月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第154号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 「令和のブラックマンデー」と相続税評価 ■□
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2024年8月5日、日経平均株価が大暴落しました。その日の終値は前週末と比べて4,451円値下がりし、史上最大の下落幅となりました。
この出来事は、1987年10月19日の月曜日にニューヨーク市場でおきた株の大暴落を模して「令和のブラックマンデー」と呼ばれております。ただ、翌日には一転して日経平均株価は3,217円高となり、株価はさらに上昇していきました。
相続はいつ発生するか分かりません。例えば、株式を持っている方が
「8月5日に亡くなった場合」と「8月6日に亡くなった場合」で、相続税評価額はどのくらい違うのでしょうか。
【1.上場株式】
上場株式の相続税評価は、
(1) 相続日の終値
(2) 相続日の属する月の平均
(3) 相続日の属する前月の平均
(4) 相続日の属する前々月の平均
のうち、いずれか低い価額により評価します。
例えば、上場会社である株式会社キーエンスの株価は、
(1) 8月5日の終値:53,120円、8月6日の終値:62,500円、
(2) 8月平均:65,756円
(3) 7月平均:71,109円
(4) 6月平均:69,863円 です。
つまり、8月5日の相続税評価は53,120円、8月6日の相続税評価は62,500円となり、
一株あたり9,380円も評価額が違うことになります。
【2.未上場株式】
未上場株式の評価方法の一つに類似業種比準価額方式というものがあります。自社の業種に類似する上場会社の株価をサンプルで抽出し、その株価を基に毎月の平均単価が計算され、その株価をもとに評価するという方法です。つまり、上場株式の株価が暴落した場合、類似業種比準価額も下がる可能性が高くなります。
ただし、類似業種比準価額の単価は、相続発生日の単価ではなく、月平均の単価となりますので、相続発生日が1日違うことによる影響は【1】のケースほど発生しないことが想定されますが、未上場株式であっても、上場株式の暴落や急騰の影響は少なくないといえます。
【3.生前贈与】
相続はいつ発生するか分かりません、と記載しましたが、生前贈与はタイミングを選ぶことができます。贈与者が贈与する意思表示をして、受贈者がもらうことを理解して、管理をすれば成立するためです。
例えば、キーエンスの株式を100株持っている方が、8月5日に贈与した場合の贈与税は542,400円(相続税評価額5,312,000円)、8月6日に贈与した場合の贈与税は730,000円(相続税評価額6,250,000円)ということで、1日違うだけで187,600円もの差額が発生します
(贈与税は特例税率の暦年贈与で計算)。
生前贈与は「評価が安い(と想定される)ときに実行する」ということが重要です。
NISAを始めた瞬間に株価が下がってがっかり、している場合ではありません。
上場株式の株価が下がったときは贈与のタイミングでは、ということも意識していただくことをお勧めします。
(担当:税理士 伊藤 健司)
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