2025年1月10日
寒中見舞い
BIS特別名誉顧問・増田善信・理学博士より
(2025年9月11日 102歳)
2025年 寒中見舞い申し上げます。
年賀状にて新年のごあいさつができなかったことをお詫びします。
私は9月に101歳になり、敏恵も97歳で、二人とも週2回のデイサービスに通っている状況です。10月頃から車椅子生活になってなかなか思うような動きができませんが、新年を迎え、本年も命の限り、世の中の様々な問題に向き合っていきたいと、決意しています。
日ごろ私が考えている問題を皆さんにお伝えして、できればその運動を広げてまいりたいと考えています。
世界中が騒然としています。
NATO派であるとか、ロシア派であるとか、中国派であるとか、それぞれ軍事同盟の仲間のどれかに属していないと激動の世界で生きていけないことが、いよいよ鮮明になってまいりました。私はこの問題からすべての国が非同盟のグループを作ってそういう外国の勢力のどれかに属さなくても生きていかれるような世界を目指していければと願っております。
今、ウクライナへの核兵器の導入さえも話題になっています。
ビキニで1954年3月1日にアメリカが世界で初めてブラボー爆弾という実験をして、非常に大きな犠牲をした後で世界の反核運動が盛り上がったにもかかわらず、また核兵器を導入、あるいは実験をする動きさえも出ています。
このような動きへ加担しなくてもいい国家を作るために非同盟の国を一国も多く作ることが必要です。
日本共産党はかつて分裂をしたことを反省して自主独立というキャッチフレーズを表明しました。
自主独立はどこの派にもどこの国にも属さない、自分の頭で考え、作った方針でいこうと言われたときの感動を私は忘れることはできません。
この自主独立は、国で言えば非同盟です。
核兵器廃絶の運動をさらに広げるためにも日本がアメリカの核の傘のもとから離れ自主独立の国へとなっていく運動を進めていくことを強く願っています。
昨年の被団協のノーベル平和賞受賞は私たちが進めてきた運動の大きな励みになりました。
核兵器禁止条約が承認され、すでに発効までしているのに、日本被団協が核兵器禁止条約の制定に力を尽くしたという理由で、ノーベル平和賞を受賞したにも関わらず、依然として核に頼る状態が続いています。
北朝鮮の金正恩は宇宙核戦争までも提案しています。
私が長い間常任世話人として所属している非核の政府の会が提唱している非核5項目は、核兵器を開発、製造、保有、使用することも「抑止力」の名で威嚇することも国際法上違反としています。
私は広島の原爆の黒い雨の降雨域を明らかにして、広島の被爆者約4000人の被爆手帳を受領できるようにした気象学者として、なんとしても核に頼る世界を作ってはならないという思いでおります。
この機会に私が101歳の気象学者として命の限りこの運動を進めていきたい思いでいます。
皆様もどうか核兵器廃絶の運動にお力添えいただきたく、新年のご挨拶とさせていただきます。
2025年1月10日